不動産投資研究

物件の見極め方【賃貸需要編】

これまで数十件の物件情報を見てきて、それなりにノウハウが溜まってきたので、一度整理しようと思います。

 

仲介業者さんから薦められたり、楽待や建美家で良いな、という物件を見つけた後、賃貸需要を調べて、投資に足る物件かどうか、ふるいにかける手順となります。

 

供給過多のエリアで物件を購入してしまうと、家賃の下落が早く、入居付けも大変となります。それだけは避けなければなりません。

 

f:id:minetiru:20180122010248p:plain

 

居住が横浜市のため近場のターミナル駅である戸塚駅の物件を一部、例に取り上げて紹介します

 賃貸需要の調査(大枠編)

 

ここで利用するのはHome’sとなります。まずは大まかに戸塚区の空室率がどの程度かを調べていきます。神奈川県の区であれば、以下のサイトで空室率がわかります。

 

 

ブログを記載の時点で戸塚区は14.3%の空室率。わりかし賃貸需要があると見込まれる横浜市、川崎市の空室率の平均をとると14.62%なので、可もなく不可もない平均的な区である事がわかります。

 賃貸需要の調査(定量評価編)

こちらで利用するのも、Home’sとなります。

 

「戸塚駅 賃貸需要 Home’s」のようにGooleで検索し、戸塚駅周辺の賃貸需要サイトへアクセスします。

※何だかんだで、これが一番手っ取り早く対象ページに辿りつけます。

 

賃貸需要ヒートマップ

物件の住所を元に、物件の地域が賃貸需要ヒートマップで物件閲覧回数の多い(賃貸需要のある)地域なのかを調べます。賃貸需要ヒートマップが真っ青であれば、この時点で私はお別れを告げる事にしています。但し、賃貸需要ヒートマップはあくまで物件閲覧回数となるので、真っ赤な地域に囲まれて真っ青な地域がある場合は、単純に物件が無いエリアの可能性もあります。

 

賃貸入居者の希望間取

単身者向けの物件(ワンルーム、1K、1DK)とファミリー向けの物件のどちらの需要が多いかを調べます。ファミリー向けの需要が多いと、入居付けに苦労する可能性有り、と判断します。

次に、対象物件の間取りのHome’s掲載物件の数は検索割合に比べて多すぎないかを調べます。賃貸需要ヒートマップで、検索割合(需要)が多くてもHome’s掲載物件(供給)が多い場合、これまた入居付けに苦労する可能性有り、と判断します。

戸塚駅を例にとれば、単身者向け物件の検索割合が38.9%。それに対し、単身者向けのHome’s掲載物件の割合が68.6%となります。需要に対して供給のバランスがお多いため、競合が多い地域と言えます。

 

賃貸入居者の希望家賃・住戸の広さ・築年数・駅徒歩

前述の希望間取りと同様の観点で、対象物件の条件の検索割合(需要)とHome’s掲載物件の掲載件数(供給)を元に需給バランスを確認します。

家賃相場

1年前後の家賃相場の時系列グラフがあるので、家賃が上昇傾向・下降傾向であるかを確認します。下降傾向だと競争が激しく賃料の値下げ合戦が繰り広げられている可能性があるので要注意です。

 

これらの評価観点を◎○△×や5段階評価での採点をつけ、賃貸需要の定量評価結果としてまとめてみます。

※この採点基準が重要だと思いますが、経験を重ねる事で精度が増すと思われます。

 賃貸需要の調査(定性評価編)

私はまだ不動産投資の道に足を踏み入れて、3ヶ月も経っていないので、恥ずかしながら不動産投資の観点での地域特性等の勘所が非常に少ないです。

 

そのため、仲介業者さんから提案された物件で、なおかつ、ある程度の関係性がないと煙たがられて使えないですが、率直に仲介業者さんの経験を借りる事で地域特性の知識不足をカバーします。

 

賃貸需要の定量評価結果で、対象物件と同一条件の物件が供給過多と判断した場合は、率直に定量評価結果をメール等で送付し、他物件との優位性を確認してみます。

 

定量評価の結果、落第点だった部分を仲介業者さんの知識や裏取り資料による定性評価で補えるかどか、で判断するのです。

 

勿論、仲介業者さんは物件を売りたいわけなので、何かしら理由を述べてくるはずです。

 

その理由の歯切れが悪かったりすると、図星(入居付けリスクあり)という事になりますね。

 

逆に、地域特性を元にした他物件との差別化ポイントや、実際に差別化された同一条件の物件の入居付け実績資料等、納得性のある裏付け資料や説明があれば、入居付けは当面は大丈夫、という事になります。

 

このタイミングで、それなりの割合で物件がふるい落とされる事になります。

 

前回の記事の大□駅の物件の差別化ポイントは「安さ」である。モノ寂しい差別化ポイントです。

 

賃貸需要の調査(裏付け調査編)

これはそれなりに手間がかかるので、順序的には収益シミュレーションで合格点を得た物件を対象にしたが良いです(収益シミュレーションの件は次回の記事で)

 

定量評価・定性評価結果の裏付け調査の方法としては、物件の近くの地場の不動産屋やアパマンやエイブルといった仲介会社の駅前支店等に足を運び

 

アパート購入予定のオーナーです。賃貸管理条件等についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

 

と話を切り出し、実際に物件所在地や賃料の設定予定等を見せて、入居付けに苦労しそうな立地や賃料となっていないか等、ヒアリングします。

 

地場の不動産屋も賃貸管理をやってる事が多いので、見込み客として親身に話を聞いてくれます。○台のアパートで初めて実践したやり方です。

 

 

事前に電話やメール等でアポをとった方が良いかもしれませんが、私は飛び込みで行ってしまう派です。飛び入りだと、業者さんも事前に考える暇がないので、ノイズがない生の情報が聞きやすいからです。

 

○台での初めの一歩は緊張しましたが、慣れるもんです(笑)。何度も同じ支店に行くわけではないので、図々しく聞きたい事を聞いてしまえば良いのです。

 

飛び込みヒアリングの結果、定量・定性評価の結果と、おおよそマッチすれば、めでたしめでたしなのですが、ここまで辿り着く物件が案外見つからないのです。。。

 

ご紹介した中でもHome’sが提供する賃貸需要ヒートマップは特に有用です。

 

次回は「物件の見極め方 収益編」を整理しようと思います!!



★2023年1月に書籍を出版しました★